わからんから面白い魏志倭人伝

三国志の時代の魏志倭人伝にはわからん事が多い。わからんからそのまま想像力を働かして楽しんじゃお!

再び人力の船

前に、人力だとせいぜい時速4-5kmしか出せないと言った。

本当にそうだろうか?

私が時速4-5kmと言ったのは先に示した学校の先生方の貴重な実験による[1]。

[1] 「縄文の丸木舟日本海を渡る : 縄文時代の再現に挑んだ教師達の記録 からむし会編」

隠岐から島根まで56kmを丸木舟で時速4.4kmで人力で(帆無しで)漕ぎ切った。ただし漕ぎ手は何度か交代した。

そこで、他の例を調べてみる。

Wikipedia ”ボートの世界記録”では2000mが6分前後だ。そうすると一時間では10倍の20kmつまり時速20kmになる。しかしオリンピックで2000mを漕いだ人をみると、もうぶっ倒れそうな位に消耗している。その消耗度はマラソン以上に見える。時速20kmのスピードで漕げるのは6分程度でしかない。10時間とかはとても無理だ。

同じくwikipedia "アーネスト・シャクルトン”を見ると、南極大陸から9mの救命ボートでの脱出がある。この場合1500kmを17日で漕ぎ切っている。一日90km位だ。交代で漕ぎ続けたようなので、24時間漕いだとして時速4km位か。

それにしても常に暴風雨に曝されている南氷洋をよくも漕ぎ切ったものだ。9m程度の小さなボートでも転覆しない程度の安定性があるのだ。島に近づくと波が荒くて、目的地のサウスジョージア島に上陸する時が最も大変だったようだ。

もう一つ、名前は今思い出せないが、一人で太平洋をボートで横断した人がいる。ボートは最新のグラスファイバー製の軽いものだ。楽に漕げるような仕組みもしてある。この場合は一日平均60km進んだ。失礼ながら、他にすることもないだろうから一日15時間漕いでいたとすると時速4kmになる。一日12時間なら時速5kmになる。

この人は確か、目的地のオーストラリアに上陸しようとしたが、波が荒くて危険なので断念した[2]。

  [2] アレックス・ベリーニという人だった。以下のHPに手漕ぎボートで太平洋横断とある。  http://www.faust-ag.jp/soul/adventure/soul017-1.php

一般的に、陸地が近付くと海が浅くなって、波が高くなる。だから海底まで4000mもあるような太平洋の真っただ中の方が波の高さが低い。というような話を津波について聞いた。津波でなくとも普通の波でも同様だろう、と思っているが確かめたわけではない。

ちょっと脱線した。

以上より、どうも人力では、時速4km位が長時間漕げる限度のように見える。